コミュニティバスってどんなバス?路線バスとの違いや現状について解説

人気のコミュニティバスについて紹介

ハイエース

最近では、特にコミュニティバスのなかでもハイエースをよく見かけるようになっています。ハイエースコミューターの全長は、5.4m。幅は1.9mとなっていて、14人が定員です。

従来のマイクロバスよりも、さらに小型のつくりになっているのが、このハイエースコミューターだといえます。最小回転半径は、マイクロバスとは大差ありません。しかし、リアのオーバーハングが短いという特徴があります。そのため、マイクロバスでは入れないような道幅の狭い道路にも、ハイエースコミューターであれば入れる可能性あるわけです。

特に道幅が狭いなど、走行環境に難がある路線については、ハイエースが採用されることが多くなっています。愛知県尾では、とりわけハイエースの走行が増えています。清須市、北名古屋市や、豊山町、大口町はその代表です。小牧市のこまき巡回バスでもハイエースが走っています。

同じハイエースであっても、座席配置などに違いがあります。

なぜ違いがあるのかというと、バリアフリー法による影響です。バリアフリー法の規制によって、車椅子リフトが追加されるなど、整備が進んでいます。それによって、乗れることができる人の数も減っています。

満員時はどうするのか?

清須市のあしがるバスを例にとってみていきます。

あしがるバスの定員は10名です。そして、車椅子の方が乗車した場合、2つの席を畳むことになるので、さらに9名に少なくなります。

これぐらいの定員ですから、普通の路線バスに比べて格段に満員になる可能性が高いわけです。特に混雑するのは平日の朝です。やはり、通勤や通学の方が多いのがその理由になります。満員時には、当たり前ですが定員を超えて乗せることはできません。

しかし、乗れないから移動できないというのは、特に高齢者には酷です。近くに違うバスがあれば、乗り換えなどもできますが、あしがるバスの場合には、そういった条件も整っていません。そこで、採られている措置が、タクシーによる代行運転です。

満員で乗れない客がいることが、運転手によって確認できた場合には、直ちに本社に連絡を入れて、その客のためのタクシーを手配するという仕組みです。ただし、場合によっては他路線のバスで同じ到着点の場合も少ないですがあります。こういった場合には、他の路線のバスの利用を促す措置も行われています。

タクシー手配のすごいところは、次のバス停まで100円で移動できるということです。つまり、あしがるバスを利用するのと、同じ料金で移動することができるわけです。しかし、一度タクシーに乗ってしまうと、もうバスに乗り換えるのが面倒だから、そのまま目的地まで連れて行ってほしい、と思う人もいます。このようなときには、通常のタクシー料金を払えば、もうバスを利用せずに目的地までタクシーで移動することもできます。

ハイエースは特に定員が少ないのが、デメリットとなっています。しかし、あしがるバスのように、タクシーを利用した措置などを採用することによって、お客の不満を緩和させることに成功しています。

このように、ハイエースはしっかりとした措置を講ずることによって、うまく利用していくこともできるわけです。

ハイエースは健康増進の効果も担っている

特にハイエースはコミュニティバスとして、多くの高齢者に愛用されています。そして、このハイエースはそういった高齢者の健康増進にも大きく寄与していると考えられています。

交通が不便な状態だと、高齢者は家にこもりがちで、外出するのを面倒に感じてしまうものです。しかし、ハイエースのような小回りの利くコミュニティバスが、自宅前まで来てくれるのであれば、出歩く気力も出てきます。そうなると、足腰が鍛えられて、高齢者も健康になっていくという良い循環が生まれます。

特にコミュニティバスは、コミュニティというだけあって、その車内でも乗客どうしの会話が生まれます。東京での路線バスで、見ず知らずの人と会話をするという光景は、まったくといっていいほどないでしょう。しかし、コミュニティバスでは、乗った人どうしが天気の話などで花を咲かせることは当たり前の風景です。

このように、高齢者が外出して、さらに会話によって元気を出すという、非常にいい効果が、コミュニティバスにはあるわけです。

こういったコミュニティバスの側面が、見守り機能としても期待されています。たとえば、いつもコミュニティバスを利用していた1人の高齢者が、1週間近く乗ってこなかったとします。すると、他の乗客どうしの会話で、○○さん、最近見ないけどどうしたのかな? となるわけです。

すると、じゃあ、1回家に行って様子を見てこようか、などという流れが自然に生まれます。このような見守り機能が、コミュニティバスにはあるということです。

降りますボタンの使い方は?

たとえば東京の路線バスでは、次のバス停で降りたいときにボタンを押します。これが、コミュニティバスでは少し異なっています。

コミュニティバスでは、次のバス停で降りたいときには、ボタンを押すのではなくて、口で運転手に伝えます。しかし、コミュニティバスにもボタンはついています。では、どういったときにこのボタンを使うのでしょうか。初めての方は戸惑ってしまうことも多いです。

コミュニティバスのボタンは、バス停以外の場所で降りたいときに使います。まだバス停ではないけれど、今降りたい、というときにボタンを押します。すると、コミュニティバスはバス停ではない場所でも停まってくれます。

東京の路線バスはダイヤに厳密ですから、このようなシステムはありえません。しかし、地域密着型のコミュニティバスでは、逆にこういったシステムが当たり前になっています。

このようなシステムも、地域によって違いがあります。たとえば、東海地方のコミュニティバスでは、違うシステムのところもかなりあります。とよやまタウンバスはその1つだといえるでしょう。

とよやまタウンバスの場合には、乗車するときに降車するバス停を運転手に伝えます。そして、その区間の運賃を前払いします。バス停の区間走行中にボタンを押しても、その場で停まってくれることはありません。次のバス停まで走ってしまいます。次のバス停で降りる人がいるということを、運転手が再度認識するだけです。

コミュニティバスの車外広告が派手になっている

特に自治体費用や、運賃でコミュニティバスの運行はまかなわれています。そのため、財源として広告費用は非常に重要なものです。

大口町のコミュニティバスでは、かなり早い段階から車外広告を出していることで知られています。ステッカータイプの広告となっていて、側面と後部に貼り付けられています。

コミュニティバスによっては、もともとバスにデザインがあって、側面や後部にでかでかと貼ってしまうと、デザインが損なわれるというケースもあります。そういった場合には、窓ガラスに広告を貼ったりしています。

しかし、窓ガラスに貼ったら、中から外が見えなくなってしまうのでは? と疑問に感じる人もいるでしょう。この点は、外からは広告に見えるけれど、中からはステッカー越しにもちゃんと外が見えるような、特殊なものを採用することによって解決しています。

犬山市のコミュニティバスは、市のマスコットであるわん丸君がモチーフになっていることから、今のところデザイン的な問題で広告を掲示していません。

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